第35回開催にあたってのごあいさつと作品講評

ごあいさつ

さっぽろ児童版画コンクールは、地元の小売業の集まりである協同組合日専連札幌が札幌市内の小学校へ作品の出品をお声がけし、毎年、開催しております。

ご応募いただいた作品の中から、札幌市造形教育連盟の先生に札幌市長賞、札幌市教育長賞などをご選考いただくとともに、優れた作品を日専連全国児童版画コンクールへ応募し、これまでに文部科学大臣賞などを受賞しております。

35回目の開催となります今年は583点の作品をご応募いただきました。

ご協力をいただいております札幌市、札幌市教育委員会、ご協賛をいただいておりますぺんてる株式会社様、そして、市内の小学校で版画制作をご指導いただく先生方には、心より感謝申し上げます。

私ども協同組合日専連札幌は、これからも児童の版画作品を応援してまいりますので、皆様の温かいご支援をお願いいたします。

協同組合 日専連札幌
理事長 岩井 久

作品講評

伝統ある「第35回さっぽろ児童版画コンクール」に今年は500点を超える素敵な作品が集まりました。審査をとおして多くの力作の中から、キラリと個性が光り、豊かな感性に目と心が惹きつけられたのがここに掲載された作品です。受賞した皆さんには、自分の作品に自信をもって、これからも表現することを楽しんでいただきたいと思います。

さて、今回、審査を行うにあたり、特に大切にした三つの点について述べたいと思います。
一つ目は、表したいテーマとなる人、もの、出来事などへの感動や作者の思いがより伝わってくる作品であることです。
二つ目は、学年に応じた表現方法や素材の組合せ、刷りの繰り返しなど版表現のよさを生かした工夫が見られる作品であることです。
三つ目は、版画特有の白と黒のバランス、色版画や彫り進み版画にある色の濃淡や重なり、そして丁寧な彫りや刷りなど、誠実に制作に取り組まれた作品であることです。

受賞作品はどれも、それぞれの表したいテーマについて、自分と対話しながらいろいろな工夫を凝らし、自分の思いが表現されている作品ばかりでした。

札幌市長賞に選ばれた、美しが丘小学校5年、髙松 ももさんの作品『永遠のこちょうらん』は、彫り進み木版画のよさを十分に理解しながら、丁寧に表現されています。ちょうどよい彫り具合、色の重なり具合など、見る人に伝わるようにとドキドキワクワクしながら慎重に、そして夢中になって彫り進めていく様子がよく伝わってきました。仕上がった作品は見る人に胡蝶蘭の存在感を十分に感じさせてくれる素敵な作品です。

また、札幌市教育長賞に選ばれた、丘珠小学校4年、田島 北都さんの作品『バタフライ50m1分5秒』は、バタフライで記録を出したその一瞬の思いを作品の中に盛り込んでいます。初めて使った彫刻刀を上手に使い分け、白と黒のバランスも自分なりに工夫した姿が伝わってきます。水しぶきも線彫りだけにしようか白く塗りつぶそうかきっと迷ったことと思います。でも線彫りにしたことで、自分のバタフライで頑張った様子がより伝わってくる素敵な作品に仕上がっています。

この2作品の他にも特別賞受賞作品4点と金銀銅賞、入選、合わせて74点の力作ばかりです。

終わりになりますが、『版画』のよさを感じ合える本版画コンクールが、今後も末長く多くの方に愛され続け、今と未来に生きる子どもたちの貴重な表現の場、発表の場であるとともに、これからも様々な版表現の楽しさにふれ、版を使った表現活動に親しんでいただけますことを心から願っています。

札幌市造形教育連盟
櫻田 悟